生化学のイメージ画像

化学物質過敏症によく使われる樽やコップのモデルは、果たして本当なのでしょうか。

化学物質過敏症の原因に対するヤナの仮説シリーズ!始めます。

よく化学物質過敏症を説明するときに使われている樽やコップの話、ありますよね。

しかしメチレーション回路モデルの方がいろいろ説明がつくなぁと思ったので、書いてみます。
やや難しい言葉も出てきますが、めげずに最後までお付き合いいただければ、化学物質過敏症の原因と対策、再発防止までモノにできるかもしれません。

化学物質過敏症によく使われる樽モデル

ここまで来られた方は、よく使われる化学物質過敏症の説明モデルはもうご存知かもですね。でも、一応解説しておきます。

化学物質過敏症は、食品や空気中の化学物質が体内に蓄積し、許容量を超えた時に発症するとされます。要するに、身体がキャパオーバーになるから発症するのだと。

これは、よく樽やコップのモデルで説明されます。

身体に注がれる化学物質が、樽やコップからあふれ出してしまう=化学物質過敏症の発症

同じ環境で過ごしていても、発症する人としない人がいる理由は、人によってコップのサイズが違うからだとされます。

メチレーション回路モデル

これに対して、ヤナはメチレーション回路モデルの方が説明がつくし、一般的な人にも発症の危機感を共有してもらいやすいのではないかと思います。

私たちの身体の中には、メチレーション回路という解毒回路があります。

難しい言い方をすれば、メチレーションとは「メチル基(CH3)がある物質から別の物質へ移る生化学的反応」のことです。

著作権の問題もあって図が貼れないので、「メチレーション回路」と検索してみてください。いっぱい出てくると思います。

メチレーション回路がくるくる回って、日常レベルで私たちの身体に入ってきた「毒」を解毒してくれるわけです。

しかし、このメチレーション回路は、様々な要因で阻害されます。

化学物質過敏症の原因はリーキーガット症候群!?

リーキーガット症候群、という言葉を聞いたことがあるかもしれません。

リーキーガット症候群とは、腸に微細な穴が開いて様々なものが体内に漏れ出し、症状が引き起こされるものを指します。
「リーキー」は漏れること、「ガット」は腸のことです。

ちょっと検索すると、医学的には存在しない伝説・仮説とか出てきますね(笑)wikipediaとか。https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%AA%E3%83%BC%E3%82%AD%E3%83%BC%E3%82%AC%E3%83%83%E3%83%88%E7%97%87%E5%80%99%E7%BE%A4

カンジダ由来のリーキーガット症候群は存在するはず

しかし、少なくともカンジダ由来のリーキーガットは存在すると考えます。実際に写真で確認できますから。

カンジダはよくいる真菌(カビ)ですが、形態変化します。増殖形態にはいるとヤバいやつです。

「カンジダ」と写真検索すれば、様々な粘膜に生えているカンジダの様子がたくさん出てくると思います。

カンジダが写真で見られるように、白くなっている場合、カンジダは菌糸を粘膜内に伸ばす増殖形態に入っています。この、菌糸がヤバい。粘膜に穴を開けているわけですから。

口腔病理基本画像アトラス
http://www.jsop.or.jp/atlas/chapter4/html4/4_1f_003.html

ミクロレベルでは粘膜は穴ぼこだらけ、バリア機能は働かず、いらないものが直接血液内に入ってきてしまいます。特に細菌の多い腸では大問題です。そのまま通過すれば問題ないはずの細菌や毒素、食物などが漏れだして、身体にとって毒になってしまいます。

化学物質過敏症の人は、腸内環境が悪い場合が多いと考えられます。「腸内環境が大事」とはよく聞く話ですが、本当に大事なんです。

カンジダはヤバい

また、カンジダは、水銀を蓄積するという特徴があります。

いくらデトックスを頑張っても、カンジダがいる限り、体内から水銀がでていかないわけです。

化学物質過敏症の原因は栄養不足?

メチレーション回路を回すには、様々なビタミンやミネラルが必要になります。

特に、発症してしまうとダメな食材が増え、栄養が偏りがちです。

たとえ必要十分とされる量を摂ったとしても、腸内環境が悪いと栄養の吸収もうまくいきません。

メチレーション回路までビタミン・ミネラルが届かない可能性もあります。

化学物質過敏症の症状に個人差が多い理由

メチレーションの果たす役割は様々です。解毒だけではありません。メチレーション回路がうまくまわらなくなった場合、様々な疾患が起こります。なかでも重要なのはこんな感じ。

① DNAの修復と構築がうまくいかない
② 免疫機能の低下
③ 消化器系の疾患
④ DNAサイレンシング→重金属蓄積
⑤ 神経伝達物質のバランスが崩れる→神経系疾患
⑥ 重金属の解毒ができない

したがって、発現する症状に個人差や多様性があるのも当然のことだと考えられます。

すべての化学物質がダメになっていく理由

化学物質過敏症になり始めると、メチレーション回路がぎぎぎときしみ始めます。

解毒ができなくなりはじめます。

すると、今までは問題なく解毒できていたはずの化学物質でも、処理ができなくなっていきます。

症状がどんどん進む理由

メチレーション回路がまわらなくなると、重金属の代謝ができないうえに、体内に入ったものが蓄積されていきます。

いったんつまずくと、簡単な仕事でさえどんどん積み重なって、波及的にすべてだめになっていくイメージです。

デトックス、できません。

すべての人が発症の可能性があると言われる理由

メチレーション回路は、回るために様々なビタミン・ミネラルを必要とします。

したがって、少しの重金属で阻害されたり、栄養不足で阻害されたりします。

「腸内環境が悪い」人はたくさんいますよね。テレビで特集されるほど、一般的だと言っていいと思います。
それ、化学物質過敏症まで、あともう一歩かもしれませんよ・・・!

まとめ

化学物質過敏症はメチレーション回路モデルで説明した方がわかりやすく、一般の人にも危機感をもってもらえるのではないかと思って書いてみました。

正しいかどうかはわかりませんが、ヤナは有力な仮説、というかほとんど答えじゃないかと思っています。

化学物質過敏症の症状に多様性があるのも、個人差が大きいのも説明できますし。改善にとても時間がかかる理由も。

さらに言えば、化学物質過敏症の再発防止にも役立つのではないでしょうか?