せっけんの画像
化学物質過敏症で、普通の洗剤が使えない!

ぜーんぜん問題ありません。固形せっけんなら使えるものが多いです。

固形せっけんだけでもかなりの種類があるんですよ。洗剤代わりに使えます。

化学物質過敏症でも、選ぶ楽しみは欲しいですよね。幸いなことに、特に私たちが欲しいのはシンプルな組成のものなので、そう値段の高いものでもありません。100円から、高くても300円くらい?

無添加の純せっけんを集めてみました。
まずは化学物質過敏症の固形せっけんの選び方のポイントを語ります。具体的なおすすめせっけんはその下でご紹介します。

体調と相談しつつ、ぜひいろいろ試してみてください。

洗剤代わりになる固形せっけんの選び方

まず、選び方のポイントからお伝えします。洗剤代わりに使える固形せっけんの選び方のポイントは、なるべく組成がシンプルなものを選ぶことです。

成分表示をよく見る

せっけんを購入するときには、成分表示をよく見てください。だいたい、パッケージの裏側に書いてあります。

化学物質でも使えそうなせっけんの成分表示

  • 純せっけん分〇%
  • 脂肪酸ナトリウム
  • 脂肪酸カリウム
  • せっけん素地
  • カリせっけん素地

純せっけんとは

せっけんなのに純せっけん?と思いませんでしたか?

「石鹸」とは、化学的には、特定の脂肪酸アルカリ塩のことを指します。
ただ、普通に商品としての「せっけん」という時には、石鹸成分以外のものも含まれています。例えば、水分、製造過程で石鹸にならずに残った油脂成分、各種機能を求める場合は様々な添加剤、保存料、香料、酸化防止剤など。

せっけんの中に含まれる、石鹸の割合を示すときに純石鹸とか純石鹸分、純石鹸率という言葉を使います。

化学物質過敏症の人が肌を洗うなら、純石鹸分が高いものがおすすめです。
ただ、洗濯用せっけんの場合は、純石鹸だけだとコスパが悪いです。炭酸塩など、化学物質過敏症でも使えそうな助剤が含まれたものがいいのではと思います。

合成界面活性剤が含まれたせっけんを避ける

合成界面活性剤の成分表示

  • 直鎖アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウム
  • ポリオキシエチレンアルキルエーテル
  • アルキルエーテル硫酸エステルナトリウム
  • ポリオキシエチレンアルキルエーテル
  • ラウレス硫酸ナトリウム
  • ラウリル硫酸ナトリウム
    など

洗濯用・台所用の洗剤製品は、成分表示の欄に記載する決まりなのでわかりやすいです。品名に「合成洗剤」と書いてあるものはアウトです。

「複合せっけん」は石鹸と合成洗剤が両方とも含まれているものです。石鹸含有量は多いですが、洗浄作用を合成洗剤の方に頼っています。避けましょう。特に台所用・洗濯用に多いです。

化粧品系商品(シャンプー・ボディソープ・ハンドソープ等)には石けん、合成洗剤を区別する品質表示がありません。成分表示をよく見てくださいね。

成分表示に「せっけん」という文字がなければ合成洗剤として見てほぼ間違いありません。避けてください。

香料が含まれたものを避ける

合成香料が含まれていると、使えない可能性が一気に高まります。

使えるかどうかひとつひとつ検証するのもリスクが高すぎるので、「香料」が含まれていないものを選ぶのがおすすめです。

油の種類にこだわってみる

せっけんは油脂から作られます。

油脂とは、脂肪酸とグリセリンが結合したものです。
せっけんを作るには、油脂を分解して脂肪酸を取り出し、反応させて作ります。

脂肪酸は、炭素数の違いによっていくつかに分かれています。そして、それぞれに名前が付けられています。たとえば、C12はラウリン酸、C16がパルミチン酸など。聞いたことがおありかもしれませんね。

炭素数によって油脂の性質は異なります。
炭素数が10以下では洗浄力が弱く、20以上になると水に溶けにくいので、石けんに適したものは限られるそうです。

その脂肪酸の組み合わせと割合は、油脂によって異なります。

詳しく知りたい方は日本石鹸洗剤工業会のサイトへどうぞ。ものすごい情報量です。
https://jsda.org/w/03_shiki/index.html

ざっくり言うと、せっけんの原料となる油脂は、動物性原料と植物性原料の2つに大別できます。

(本来、せっけんの性質は原料油脂ではなく脂肪酸組成で決まるのですが、てっとりばやく理解・把握するにはこのわけ方がわかりやすいと思います。)

動物性原料のせっけん

動物性原料とは、その名の通り動物からとれる油脂です。主に哺乳類ですね。

・牛脂
・ラード
・馬油
など

オレイン酸が多く含まれ、皮膚の刺激性が少ないです。アトピーなど皮膚の弱い方は植物性原料のものよりがいいのではないでしょうか。

ただ動物性原料だと、どうしてもせっけんの油っぽい臭いがしやすいです。洗濯に使った場合、洗い残してしまったせっけんがにおうことがあります。ただ、私にとってはですが、体調を崩すタイプの臭いではないです。

植物性原料のせっけん

植物性原料とは、植物からとれる油です。

・パーム油
・パーム核油
・オリーブオイル
・シアバター
など

メリットは、せっけんそのものの臭いが少なく、洗浄力が高いこと。比較的、水に溶けやすいです。

廃油せっけんは避ける

少し前まで、子供会や家庭で作られていた廃油せっけん。

原料を見たことがある方はわかると思うのですが、油じたいが酸化しきっていて、身体によくはありません。

また、反応しきれなかった苛性ソーダが残留していたり、管理方法に難があったりします。

化学物質過敏症の場合、使用は避けてください。
健常者にもおすすめはできません。

あきらめずに試してみる

メーカーによって、原料となる油や、油の組み合わせ方が違います。同じ油を使っていても、もちろん入手先は違うはず。

せっけんメーカー、ねば塾のサイトに下記のような言葉がありました。

「石鹸作りは職人仕事」、昔の石鹸屋の言葉です。原料ひとつとらえても、同じ仕入先の「パーム油」も、採取場所、採取時期、絞り方、保存期間などによりかなりの「差」があります。

原料は天然のものですから、ばらつきがあるのですね。この差をならしていくのが職人技だと。
ということは、差をとても敏感に感じ取ってしまう化学物質過敏症の場合、わずかの差で使えなくなってしまう可能性も考えられます。

(とはいえ、そこまで重度でなければ、純せっけんならだいたい使えるのではないかと思います。)

化学物質過敏症を発症すると、新しいものを試すのにはとてもエネルギーが必要ですよね。
体調のいい時に、身体の声を聴きながら、少しずつ試してみてください。

化学物質過敏症でも使える?用途別おすすめ固形せっけん

固形せっけんを使う場面によって、おすすめのものをピックアップしてみました。結構長くなってしまったので、それぞれ別記事にリンクしています。

ひとつ身体にあうものがあれば、だいたいすべての用途に使えます。でも、一応「食器洗い用」とか書いてあると安心して使えますよね。

食器洗い用

ひとつだけご紹介するならこれ。

シャンプー用

ひとつご紹介するなら牛乳せっけんかな。使える人が多いのではないかと思います。

洗顔・身体を洗う用

シャンプー用と同じでいいと思います。

ちなみに、うちのお風呂場はガランとしていて、せっけんがひとつ置いてあるだけです。家族共用です。

こうしてから、浴室費用がかなり減りました。下手な節約よりもコスパ抜群。
シャンプーもボディソープなんかも、商品代の中の広告費が高すぎるんですね。。。

なんならそのままお風呂掃除にも使えます。個人的にはなんとなく嫌なので掃除用とはわけていますが(^^;)

まとめ

化学物質過敏症の固形せっけんの選び方は、まず成分表示をよく見ることです。なるべくシンプルな純せっけんを選んでください。そして、下記を頭において試してみると使えるものが見つかりやすいです。

・合成界面活性剤が含まれた、複合せっけんを避ける
・香料が含まれたものを避ける
・廃油石鹸を避ける
・油の種類にこだわって、使ってみる
・あきらめずに試してみる

あうものが見つかった!と思っても、体調によって、またはメーカーの細かな材料変更によって使えなくなったりします。体調のいい時に、他のものを試しておくのもリスク回避に有効です。

化学物質過敏症だと、まず合成洗剤を避けろと言われますね。
なんで化学物質過敏症だと合成洗剤を使えないのか、私には理由はよくわかりません。

でも、実際に使えないですよね。
においでもうダメだし、無理して使うと手がうわぁぁぁとなります。

洗剤の代わりとして快適に使えるなら、身の回りの洗剤は全部せっけんに切り替えたらいいんですよ!
最初は大変だし思い切りが必要ですが、いったん家中の洗剤→せっけんへの切り替えが終われば、あまり洗剤について考える必要もなくなります。ぜひお試しください。