QEESIについて調べているうち、面白い調査を発見しました。

「化学物質過敏症なんて自分には関係ない!」

と思っている健常者の方に、他人事じゃないんだよーと知ってもらえれば幸いです。

これは、宮城県のホームページに掲載されているものです。

村田町竹の内地区産業廃棄物最終処分場周辺住民に対する健康調査(2004年11月実施)の分析結果報告書(案)
https://www.pref.miyagi.jp/uploaded/attachment/6297.pdf(最終閲覧日2020年2月15日)

書かれたのは、かくたこども&アレルギークリニック院長の角田和彦先生。

村田町竹の産廃処理施設から発生する何らかの化学物質が、周辺住民に及ぼす健康被害を調査してまとめられたものです。

調査方法

2001年7月と2004年11月、産廃処理施設の周辺住民に対してアンケート調査が行われました。

アンケート調査には、セルフチェックの記事でも御紹介した、QEESIが使われました。

産廃処理施設500m圏内では化学物質過敏症が増加する!?

この調査結果をふまえると、次のようなことが言えるそうです。

  • 化学物質暴露に対する反応性が、500m未満において高くなっている
  • 500m未満では、気道粘膜症状・認識症状・皮膚症状など各症状の訴えが多く、症状点数も多くなっている
  • 500m未満では、化学物質過敏症が「非常に疑わしい」「疑わしい」と判定される住民数が増加している
  • 3年間にわたる慢性的な暴露が、化学物質に対する過敏性を高めていると考えられる

環境によって化学物質過敏症になってしまうこともある

この調査結果では、産廃処理施設から発生する、低用量の硫化水素への暴露の影響ではないかと推測とされています。

現在では、不適正処分がされていたとして事業者は逮捕、埋め立ては中止されています。

もし自分が柔軟剤なんて全然大丈夫で、化学物質過敏症なんて嘘っぱちだと思っているとしても。

環境によって化学物質過敏症になってしまうことは十分有りうると言えそうです。

さいごに

調査結果のグラフを見てみると、500m未満圏内でも、特に反応していない人も半数くらいいるんだなーと思いました。

そう。化学物質過敏症は個人差が激しいんです。全員反応していたらもっとわかりやすく問題になっているはずですよね。

ただ、健常者の方にも、化学物質過敏症は他人事ではないんだなと思ってもらえる具体例として使えそうだなと思い、書きました。

この調査では産業廃棄物処理施設の話ですが、化学物質への低用量長期暴露は、どこででも起こりうることです。柔軟剤とか消臭剤とかの日用品でもね。お気をつけあれー。

あまり関係はないですが、このへん面白かったのでまるっと引用しておきます。

化学物質による知覚神経の刺激が軸索反射・神経ペプチドの分泌・アレルギー反応を介して、粘膜浮腫や粘膜過敏性・粘液分泌・気道消化管平滑筋・免疫細胞の不活化、頭痛、吐き気などの反応を引き起こすことが解明されつつある(図21)。神経興奮は中枢神経にまで及び、自律神経を介してさまざまな全身症状を起こす。硫化水素など粘膜刺激性のある化学物質に反復して暴露されることによって、粘膜刺激症状、中枢神経症状、全身症状などが起こる可能性が十分考えられる。