この記事は、化学物質過敏症を取り上げている小説のご紹介です。

化学物質過敏症を扱う実用書はそこそこありますが、小説ってなかなかないですよね。
2019年8月5日発売予定。
この記事を書いている現在ではまだ発売される前の段階なので、私も未読なのですが。

小説『きみの存在を意識する』内容紹介

化学物質過敏症を扱う小説のタイトルは、『きみの存在を意識する』。

梨屋アリエさんの小説です。
化学物質過敏症に限らず、あまり人に理解されない症状を持った人をとりあげている小説のようです。10代の若者向けです。

発行はポプラ社。読みやすい小説や、かいけつゾロリシリーズなど児童書を扱う、超大手出版社です。

内容紹介、まるっと引用します。

中学2年、石崎ひすいのクラス担任は読書活動に熱心。読んだ本の読書カードを提出させ、班ごとに数を競うことになった。が、ひすいは本を読むのが非常に困難。なかなかカードを提出できず肩身が狭くなる。

 一方、猪熊心桜は、提出したカードの字が下手で、担任に差し替えられる。書字が困難なので、国語の追試はワープロで答えさせてほしいと「合理的配慮」を求める心桜を担任は否定する。

 また、読書記録はプライバシーなので開示したくない、とカードを提出しない入来理幹のことも担任は認めない。クラスを乱す理幹を気にする優等生賀川小晴の親友尾木留美名は、教室が臭いと言って別室登校する。彼女は特定の臭いに過剰反応してしまう化学物質過敏症だった。一人の行動が、少しずつ状況を動かしていく。

 誰も、怠けたり、わがままを言っているのではない。人は見えないことはないことにしがち。でも、外からは見えにくい困難を、見えないことにしないために。

 これからを生きる10代に贈りたい小説です。

うわぁ、生きづらさが想像できすぎてつらい・・・

小説なので、これだけ多様性のあるクラスも実際には珍しいとは思います。健常者な一般人の担任の先生には、理解できないし手に負えないのもわかる気がします。特別な配慮が必要で、扱いにくい。受け持ってしまったことを同情します(笑)

10代のうちに「化学物質過敏症」という言葉を知っていれば、もし自分がなってしまった時にも素早く対応できるようになりそうですね。

『きみの存在を意識する』書籍詳細

発行形態:ハードカバー
ISBN:9784591163566
税抜価格:¥1,500 (JPY)
ジャンル:児童書/絵本
刊行日:2019/08/05